サクラダリセット 全7巻を読んで

サクラダリセット全7巻読破いたしました。

相馬菫がかわいくてかわいそうで。この物語の中で1番大好きなキャラクターになりました。大切な人に幸せになってほしくて、身を引くどころか身を投げるという、どこまでも恋する女の子。その選択のために、自分の家族や町一つの在り方が変化していっても構わないと思える無敵さ。その未来を得るためだけに、あらゆることを計算尽くすしたたかさ。含みを持った話し方も、行動もすべて愛する彼のため。

ケイがいうところの「そんな理由で」行動し続ける相馬に果てしない哀しみを覚えました。行動原理が「そんな理由」であるのに、そこに自分の1番の幸せが含まれていないという矛盾。ほんとにかわいそうで。応援したくなります。

IFでも良いから、相馬が幸せになるルートも描いてほしいです。

欲しいものはひとつだけ ぜんぶぜんぶぜんぶ

化物語シリーズがアニメも本も好きなんですけど、個人的には撫子ちゃんのOPがすきです。特に囮物語のときのOPが。

<言い訳とか 理由だとかめんどくさいなぁ>
撫子ちゃんの本音すぎて、あとめんどくさいなぁのあの吐き捨てるような言い方がツボです。もういろいろめんどくさがりなのは、囮物語よんでわかっていましたけど、言い訳するのも、理由を話すのも面倒で他人に押し付けられた「可愛いだけ」のキャラクターでおしとおすっていう。


<思い通りにならな 世界ならもういらない欲しいのは1つだけ 全部 全部 全部 全部。思い通りにならない 世界とかありえない欲しいのは1つだけ 全部 全部 全部 全部。>

欲しいものは一つだけといって、全部という矛盾。その矛盾を受け入れてくれない、自分の思い通りにならない世界ならあり得ないから、いらない、というすごくわがままな女の子。それが撫子ちゃんの本質だったってことでしょうね。

<このきもちは このきもちにしかわかんないのにみんな かってに きめつけすぎだし>
これは私もわかります。自分の気持ちなんて自分にしかわからない(自分ですらわからない時だってあるのに)なのに、皆は勝手に自分の事をわかってる風に話す。撫子ちゃんの場合「可愛いだけのおとなしい女の子」というレッテルをはられ、勝手に決めつけられ、面倒だからほんとはそんなタイプじゃないのにその決めつけの通りに動いてきた。だからこその、思い通りにならない世界ならいらない、という風になるんでしょうね。

あなたを保つもの

好きなアニメ『攻殻機動隊』のオープニングの曲名です。とても攻殻機動隊っぽい歌詞で、曲調も大好きな曲です。

<あなたの あなたが あなたを あなたに してる>

って歌詞がとくにすきです。曲名の『あなたを保つもの』の回答的な歌詞というか。結局「あなたを保つものは?」の疑問に対して、「あなたの(信じている)あなたが(ここに存在する)あなたを(確信的に)あなたに(きっと)してる」ってことなんじゃないかなぁと、勝手に解釈しています。

攻殻機動隊自体が、「心とは?私とは?何が私というものを構成しているのか」というテーマ的存在があると思うので、そのテーマ自体の答えにもなっているんじゃないでしょうか。

「あなたをたもつものは何ですか?」と聞かれて、私がおもうのが、「過去の記憶、現在の周りの環境」の大きく二つなのですが。この歌詞では「貴方の信じている貴方が貴方なんだよ」と。

自分を保つものが何なんて、あんまりかんがえませんけどね。

月刊少女野崎くん8巻

従妹からかりた『月刊少女野崎くん』の8巻目を読みました~。

もうみんな可愛すぎる。あんなはちゃめちゃな高校生活送って見たかったですよ。全然はちゃめちゃではなかったので、穏便?な高校生活だったので。

鹿島くんのバイト先に行っちゃう演劇部の方々とか、漫画の今後の参考にと図書室に繰り出す野崎や千代ちゃんに翻弄される図書室にいる方々とか。周りの人たちもなんだかおかしくてかわいらしい。

でも一番災難でおかしかったのは結月のお兄さんでした。

いまさら翼と言われても

米澤穂信さんの本『いまさら翼と言われても』読みました~。

面白かった~。 久しぶりの古典部で、テンション上がる私。

主人公である奉太郎がなぜ省エネ主義になったのか、がわかりましたね。ネタバレになるかもしれないんですが、省エネ主義になる理由とか、まやかの退部理由とか。えるのこれからとか。

何だか、青春してんなって感じました。あと、頭良いな、皆って。短編集なので、それぞれの主観というか、まやかからみた古典部のみんな、とかがわかって楽しい。まやか、本当に里志のことが好きだなーって思うところがまやか視点の文章に散りばめられていてうわーって私はなりました(笑)恋する乙女だ。全体的にまやか視点の作品が多いなと、感じたのですが、本当に「正しい子」って感じがするな、と。間違えてたなら謝る、約束は守る、筋は通す、みたいな。「正しい子」というか「自分が正しいと思う考え方をする子」だな、と思いました。それは、奉太郎に対する認識とか、漫研の自分の立ち位置とか。

もともと奉太郎に『クドリャフカの順番』で、タロットカードで言えば「正義」と言われていたまやかです。この『いまさら翼と言われても』でもその期待?を裏切らない正しさぶりでした。ここで、私がかきたいのはえるです。今までのストーリー通して、あまり身近に感じていなかったのはえるでした。奉太郎も悟志もまやかも、その感情や感覚をわりと身近に感じられていたのですが、えるだけが遠い存在に思えていたので、今回の

<いまさら翼と言われても、困るんです>

あたりの言葉に人間味や身近さをやっと感じられました。ずっと決められた道を歩いていたのに、急にどこへでもいって良いといわれた時の不安感。どうしよう、どうすれば、翼何かもらってもどう使えば、どこへ飛べばよいのか。そんな感じじゃないかと思います。

全体を通してやっぱり古典部はほろ苦いミステリーでした。これから、彼ら彼女らがどういう大人になっていくか私はずっと楽しみです。